ぼくは明日、昨日のきみとデートする 朗読劇と小説 

3月から4月にCSテレ朝チャンネル1でやってた「恋を読む ぼくは明日、昨日のきみとデートする」の松田凌×内田真礼回を見ました。それが何回も見返すくらいよかったので原作も読んだよという話です。結末のネタバレはしてないです。

 

朗読劇

今回テレビでやってたのは、2019年3月にオルタナティブシアターで上演されたもの。2018年8月に一度上演されており、1年たたずに再演となったみたいですね。

私が好きな内田真礼さんが出演されてるということで、初演のときから実際に観に行きたかったのですが、受験生だったし東京だったので諦めてました。映像にしてくれるとは思わなかったのでよかったです。

2016年に福士蒼汰さんと小松菜奈さん主演で映画化されてましたが、そのときの私は中高生向けのキラキラ恋愛映画が嫌いというか興味がなかったので、これもその類だと思い思いっきりスルーしていました。友達もおすすめしてくれてたのに読まなかったという、今考えるとチャンスを悉く自分から捨てていってますね。

 

あらすじ

京都の美大に通う南山高寿(みなみやま たかとし)は電車で本を読んでいる一人の女の子、福寿愛美(ふくじゅ えみ)に一目惚れする。声をかけ、いい雰囲気になるが、別れ際に高寿が「また会える?」と聞くと彼女は涙を流しながら「また会えるよ。また明日ね。」と言った。高寿は彼女が泣いている意味がよくわからなかった。その後、付き合うことになりデートを重ねていく。ごくごく普通の幸せなカップルだ。手をつなぐとき、名前を下の名前で呼びはじめるときなど愛美は涙もろい性格だった。高寿はあまり気にしていなかったが、少しずつ違和感を覚えていく。そして、ある日高寿は愛美が落としたメモを見つけ、彼女に秘密があることを知る。

 

感想

松田凌さんが演じる高寿があまり女性慣れしてない純粋な感じがでてて、すごくはまってた。今回初めて名前を知ったのですが、2.5次元系の舞台では有名な方のようですね。

愛美と付き合うことになってから、デートをしてるところとかいちゃいちゃしてるところ、こっちが恥ずかしくなるくらいラブラブ笑 その中で私が好きなシーンがありまして、愛美が高寿にこんな私でもいいの?って言うところがあるんですけど、

「わたしね、癒し系じゃないよ?よくそんなふうに言われるんだけど」

「いいよ」

「けっこうわがままっていうか、自分は自分!みたいなところがあるよ?」

「いいよ」

「あと、食べものでかなり機嫌が左右されるよ」

「いいよ」

「いいの?」

「いいよ」

ここの「いいよ」がだんだん「次は何言ってくるんだろ笑 」みたいな感じで楽しんで言ってるように見えて面白かった。けど、ちゃんと安心感もある言い方。

あと、「~だというような」の「だー」の言い方が好き。上手く説明できないけど。

真礼ちゃんはさすが声優さんという感じで、声の切り替えが上手かった。全部2人で芝居するので別の人も演じるんだけど、全然違和感なくてよかった。

真礼ちゃんの愛美は甘い声で可憐。やりすぎるとぶりっ子っぽくなりそうだったけど、一歩手前でバランスを取っていて聞きやすかった。高寿の前では高寿のことだけを思って真っすぐにこの時間を楽しもうとしていて私も付き合いたいわーって感じだけど(笑)その分背負ってる秘密のことを考えるとこんなに辛いことはないよなあと思ってしまう。

朗読劇なのでキスシーンとか抱きしめるシーンは実際にするわけではなかったんだけど、しなくても伝わるドキドキ感がすごくて2人の表現力が上手いんだなと思った。

最後は愛美の視点から出会った最初の日(電車で一目惚れしたとこ)に回想しながら戻っていくんだけど、そこの演出は2人がつながっているということを踏まえたものだったのかな。

 

今回、録画してたのがこの2人の回だけだったので、惜しいことしたなとちょっと後悔。他のペアも見比べてみると新しい発見があったかも。 でもとてもいい話でした。朗読劇を見るのが初めてだったのですが、こちらにある程度の想像を任せてくれるので楽しい。「私の頭の中の消しゴム」が何度も再演しているようなので見てみたい。「恋を読む」シリーズは10月に「逃げ恥」やるみたいです。ドラマも漫画も見たことないからよく知らないんだけど、結構長いよね?どんな風に仕上がってるんだろう。

そして松田凌さんという新しい俳優さんを知れてよかった。最近なんか出てないのかなーって書いてたら里見八犬伝の舞台のCMに映ってるのを発見。おもしろそう。

 

 

 

 

小説

ぼくは明日、昨日のきみとデートする (宝島社文庫)

ぼくは明日、昨日のきみとデートする (宝島社文庫)

 

 朗読と少し設定が違っていたりしますが、大筋は一緒です。最初に朗読の方を知ったから、原作が全部頭の中で真礼ちゃんと松田さんの声で再生された(笑)会話文が多くてラノベっぽいなと思ってたら、七月さんってもともとラノベをよく書いてる方だったんですね。さくさく読めました。舞台は京都。京都だから愛美の秘密が本当にありそうな感じが出てる気がする。読んだら分かると思います(笑)森見登美彦四畳半神話大系とかも舞台が京都だから面白いってところ、あるでしょ?(笑)

 

朗読ではあまりわからなかった愛美のことも最後にちょろっと書かれてます。うーん、本当に切ないねぇ…。でも2人にとって一緒に過ごした時間はとても密度の濃いものだったに違いない。読んでよかったです。